お母様方から、こんな質問をよく頂きます。
「絵本の読み聞かせには、結末がハッピーエンドの物を選んだ本がいいのでしょうか?
子供には、悪い言葉やネガティブな体験は与えてはいけませんよね。」
さて、皆様は、どうお考えになりますか?
確かに最近の絵本は、登場人物が誰も死なず、
仲直りして終わります。
幼稚園や保育園で読んでもらう本も、
昔ながらの ちょっと残酷なストーリーではなく、
優しく穏やかな結末に書き換えてあります。
それはそれで楽しめていいのですが、
教育的観点からは、”う~ん!残念!!”と思うことも…。
なぜなら、絵本は子供が「多様な人間の感情」を
疑似体験して学ぶことができる貴重な場だからです。
絵本や昔話には、幼児期に触れておくべき8つの感情、
『愛』
『喜び』
『信頼』
『疑い』
『憎しみ』
『嫉妬』
『失望』
『恐怖』
が ちりばめられています。
感情の半分はネガティブなものです。
子供達は、お話の中で、ワクワク、ドキドキ、ハラハラしながら、
それらの複雑な感情を 自分の物としてイメージにうえつけていきます。
『すごく悲しい』
『ちょっと怖い』
『これは嫌だ』
こんな感覚があるからこそ、
本当の優しさや強さが わかるようになります。
豊かな感情を育むには、やはりバランスが必要です。
竹石むつこ